7/12(日)のテレビマッチで那須川天心の相手を公募し、話題になっているRISE。既に発表されていたナンバーシリーズについても開催すると伊藤代表から発言があり、対戦カードに注目が集められていた。テレビマッチに王者が続々と参戦し、ナンバーシリーズは少々内容が劣るのかと勝手に思っていたが、管理人的にはこちらの方が豪華な気さえする。今回は対戦カードが多いため、簡単に見どころと試合予想をしていくことにする。
【大会概要】
RISE140 7/19(日) 後楽園ホール
今大会もテレビマッチ同様、選手の免疫力を考慮し通常契約よりやや重い体重での契約となる。また、後楽園ホールや行政の方針に則り、約2分の1の収容人数(後楽園ホールの収容人数は1,200~1,300のため、主催者発表で500人弱)での開催となる。
【対戦カード】
-60.5kg契約
工藤政英(新宿レフティージム 第3代RISEフェザー級王者)
髙橋 亮(真門ジム NKBフェザー級王者、元NKBバンタム級王者)
RISEとNKBのチャンピオン対決がしれっと決定。工藤はONEでは勝ち星を残せていないが、国内RISEでは連戦連勝。キモローを中心とした数々のキモ技で王者に君臨する。言われ方こそ良くないが、その技術と精密さは国内屈指のトータルファイターと言える。対する、髙橋亮はNKBを主戦場とする髙橋3兄弟の次男でNKBで2階級制覇している。こちらもテクニシャンで所謂キックボクシングルールでは国内トップレベルの選手。それでいて、旧KNOCK OUTでは小笠原瑛作らと激闘を繰り広げ、テクニックのみならずタフな精神力も特徴。展開としては、工藤はロー主体。髙橋は組みなし肘なしでどんな引き出しを開けてくるかは未知数。それでもRISEルールで実績を残し、明確な武器のある工藤が優勢に試合を運ぶと予想。髙橋3兄弟はジムをオープンしたが、所属は真門ジムのまま。
-72kg契約
“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館 第2代RISEウェルター級王者)
緑川 創(RIKIX WKBA世界スーパーウェルター王者、第8代新日本キックボクシング協会ウェルター級王者)
こちらも所謂キックボクシングルールの猛者、緑川創が参戦。初戦で階級アップの王者ベイノアとの一戦が組まれる好待遇。緑川は3月にRISE参戦が発表されていたが、コロナ禍で試合が流れていた。その後、4月Road to ONEに出場した後に弟分HIROYUKIとともに小野寺力率いるRIKIXに所属。今回、改めてRISE参戦が決定した。ベイノアは距離感を支配しつつ戦うスタイルで、緑川は距離を詰めてパンチ、蹴りをガンガン出していくスタイル。ベイノアが距離を保てるかが勝負の鍵になると思われるが、緑川レベルの圧力はこれまでの対戦相手とは一味違うだろう。緑川は肘と組みなしでベイノアを捕まえられるかが課題だが、日菜太戦を思い出すと意外とベイノアがうまくいなす予感。
-50kg契約
寺山日葵(TEAM TEPPEN 初代RISE QUEENミニフライ級王者、第8代J-GIRLSミニフライ級王者)
sasori(テツジム NJKFミネルヴァ日本ライトフライ級王者)
こちらも王者対決が実現。sasoriはシュートボクシング2020act1で現役王者の女神に判定勝利している強豪。女神戦では手足の長い女神に距離を作らせず、距離を極限に詰めた戦いとパンチをもらいながらの打ち合いで強さを見せて、押し勝っている。今回は完全組みなしルールのため、勝手が違うものの、寺山も距離を保っての蹴りが得意な制圧系ファイター。女神戦同様の戦いができれば、sasoriにやや分があるようにも見える。それでも蹴りのテクニックなら寺山に一日の長があり、どちらの得意な展開に持ち込むかが勝負の分かれ目。
-47.3kg
紅絹(NEXT LEVEL渋谷 初代RISE QUEENアトム級王者)
山本ユノカ(Kick Box 元WBA女子世界ライトミニマム王者、元OPBF女子東洋太平洋フライ級王者)
紅絹や日本女子キック界の古株にして現役王者。今回の相手はなんとボクシングの元世界王者に決定した。SNSではローキック地獄を宣言しているが、作戦通りとなるか。山本の試合を見たことがないのでどれほどのパンチ力かわからないが、打たれ強い紅絹でも元ボクシング世界王者の一撃をもらればわからない。ローに山本が耐えられるか、長いジャブ・ストレートを持っているかが勝負を分けるか。
-55kg契約
政所 仁(魁塾 スーパーフライ級1位、J-NETWORKフライ級王者)
大﨑一貴(OISHI GYM スーパーフライ級3位、初代WMC日本フライ級王者、LPNJフライ級王者)
両者は旧KNOCK OUTフライ級で対戦の可能性があったのが記憶に懐かしい。RIZINで肘・組みなしルールで石井一成に勝利したことでプリンス・キラーの異名をとり、名を上げた政所だが、トーナメント初戦ではキックボクシングルールで石井一成に敗れて両者の対決は実現しなかった。その点、この試合は軽量級ファンからすると屈指のカードではないだろうか。政所は一足先にRISEに参戦しタイトルマッチに辿り着くも、田丸辰にスピード差を見せつけられ敗れている。大崎も昨年よりRISEに参戦し風音を破り、RISEルールでも強さを見せた。ずばりこの両者、スピード・キレともに大崎が一枚上手と見る。政所はコロナ自粛期間でそれだけシャープな一撃を磨けたかが問われる一戦。
-56.5kg契約
志 朗(BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級王者、RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント準優勝)
清志(新興ムエタイジム/NJKFバンタム級2位、WMC日本バンタム級3位)
清志の試合を見たことがなく、現時点ではなんとも言えないが、距離の巧、志朗にどう立ち向かうか。清志はSNSでこの試合が昨日決まったとコメント。このビッグチャンスをものにできるか。
-66kg契約
稲石竜弥(TEAM OJ/元Bigbangライト級王者、元MA日本ライト級王者、元APKFスーパーフェザー級王者)
KENTA(HAYATO GYM/ライト級8位)
KENTAはキャリアで勝る稲石に挑戦する。稲石も独特なリズムに翻弄されずにハードパンチを叩きこめるか。稲石は秀樹戦の敗北からトップ戦線返り咲きをかけた落とせない一戦。
-53kg契約
小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/WPMF女子世界フライ級王者、初代ムエタイオープン女子フライ級王者)
YAYAウィラサクレック(WSRフェアテックス幕張/J-GIRLSスーパーフライ級王者)
小林はムエタイ系の選手で、旧KNOCK OUTに参戦では伊藤紗弥、イリアーナ・ヴァレンティーノ(ガールズSカップ2018王者)に勝利し、女子格闘技の中心人物になると予想されていた。万を辞して参戦したRISE133のミニフライ級王者決定トーナメントでは計量失敗。今回は改めてRISE初参戦となる。今後は51kg辺りを主戦場とする模様。対するYAYAは初代J-GIRLSスーパーフライ級王者でこちらもムエタイルールを主戦場とする選手。試合は見たことはありませんが、小林にとってはいきなり強豪が用意された。肘の印象が強い小林はRISEルールに適応できるか。
ナンバーシリーズながら、どの試合もメイン級でRISEに選手が集まってきているのが良くわかる。これまでキックボクシングやムエタイルールで試合をしていた選手がどう対応してくるかが今回のテーマだと思う。
【管理人の独り言】
これまで、ですます調と書き言葉が混在でしたが、以降は書き言葉に統一します。このコーナーだけはですます調で書きます。