キックボクシングイベント「KNOCK OUT」を運営する株式会社ブシロードファイトが、本日突如事業譲渡を発表しました。
KNOCK OUT公式サイト発表より
譲渡先は株式会社Def Fellowで、「REBELS」をを運営する現KNOCK OUT及びREBELSプロデューサー、山口元気さんが代表を務める会社です。
コロナ禍で突如発表された本発表。アナウンスによれば、コロナウイルスの影響等を踏まえ今後の事業の方向性について話し合いを重ねた結果、事業譲渡が最善と判断したとのことです。
かなり抽象的な理由になりますので、ここで私の個人的な見解を書かせていただきます。あくまで推測ですのでご了承下さい。
【管理人の見解】
2016年の旗揚げ時は肘なし組みありの元祖キックボクシングルールの最高峰として人気を博したKNOCK OUT。当初は森井洋介、不可思、ヨードレックペット、石井一成を擁し、那須川天心の継続参戦で盛り上がりを見せてきました。方針として選手のチケット手売りをしないなど選手ファーストな団体としても知られましたが、那須川天心がRIZINに参戦して以降は大会ごとに空席が目立つようになってきました。極めつけは、フライ級タイトルマッチで王者石井一成とタネヨシホの一戦がタネの計量失敗で流れたことにあると思っています。もしかするとその頃からピリオドを打つことは決定していたのかもしれません。その後イベントは開催されず、昨年夏に小野寺力さんに代わり山口元気さんがプロデューサーを務めることが発表され、新体制へ移行しました。しかし、不可思の離脱と旧体制を盛り上げた森井、石井、高橋3兄弟などの主要選手は参戦せず、REBELS系・クロスポイント系の選手で固められていきます。理由はわかりませんが、これによりREBELSとKNOCK OUTの差別化ができておらず、混合でイベントを開催したり、肘なしルール(BLACK)の制定をしたりとREBELSの上位団体といった様相を呈していきました。そんな中コロナウイルスの影響を受けることになり、既に方向性を失っているKNOCK OUTはビジネス的にはこれ以上は運営不可能と判断されたのでしょう。ブシロード系列は新日本プロレスの再建に成功しており、スターダムの買収もありプロレス分野は好調ですが、キックボクシングではそうはいかなかった模様。あくまで営利企業ですので、ここでさじを投げ山口代表に相談をしたところ受け入れられたのではないでしょうか。※全て個人的推測です。
発表済み大会は中止され、Def Fellow傘下で下記日程で大会開催
http://rebels.jp/detail.php?category=NEWS&id=news_20200615-01
REBELS公式サイト発表より
2020年8月30日(日) 後楽園ホール大会
2020年9月12日(土) 大田区総合体育館 ※既発表大会と同日、同会場
2020年11月8日(日) 後楽園ホール大会
今後の事業展開については7月中旬頃に発表されるようです。
今後のREBELSとKNOCK OUTの棲み分け予想
これまでブシロードの要請を受け、山口代表が2団体のマッチメイクを行っていましたが、どちらの団体も傘下となったことで明確な棲み分けをしていくと思います。この構造を考えると真っ先に頭に浮かぶのがK-1とKrushです。まさにそんな形になると思います。REBELSで実績を残した選手がKNOCK OUTのトーナメントに呼ばれピラミッド構造の中で選手を育成することになるでしょう。幸いにもKNOCK OUTには江幡塁や西岡蓮太、駿太、日菜太など強豪選手も多いので、しっかりと差別化をしていって欲しいと思います。これまで板挟みになっていた山口代表が本領発揮する環境が整いました。しかしながら、これまで全方位外交(今はK-1との提携はないようですが)で中立として業界を支えてきたREBELSですが、さすがに門戸を絞らないと2つの所帯を運営するのはやや厳しいでしょうか。
どんな理由かはわかりませんが、現在参戦していない石井一成(チャンピオンのはず)や森井洋介、勝次が戻ってくれば再び熱を増しそうですし、ノウハウのある山口代表なら立て直せると思っています。現在RISEに参戦している選手はどうなるかも気になりますが、いずれにしても7月の発表を待ちましょう。
【管理人の独り言】
REBELSと言えば、梅野源治だと思います。梅野のラジャダムナン王者戴冠までのストーリーはREBELSの歴史と言って過言ではないと思いますし、梅野の復活と再挑戦を2団体で描ければストーリーも生まれるのではないでしょうか。鈴木兄弟の活躍もありましたが、今一歩ストーリーに乗れないのが最近の不調の要因だと個人的には思っています。